第35回 酢の魅力を訪ねて

 読売新聞福岡版の「まち風 くらし色」コーナーでは 8月11日 、福岡県筑後地方にある二つの酢造所を訪ね、酢の魅力を紹介しました。(読売新聞西部社会部・久保山健)

調味酢やサイダーも

 まず訪ねたのは、大川市榎津の酢蔵「庄分酢」。300年超の歴史がある老舗です。昔ながらの製法でじっくりと時間をかけて造る酢に加え、調味酢などの加工品も手がけています。

 蔵には、醸造に使う木おけや甕が並び、昔ながらの雰囲気が漂います。工場長の福山寛さんは「ゆっくりと時間をかけて造ることで、大量生産の商品にはないうまみが出ます」と胸を張ります。

 ライフスタイルの変化によって料理に時間を割けなくなる家庭が増えるなか、手軽に使える調味酢も人気を集めています。看板商品「有機玄米くろ酢」をベースにした調味酢「万能くろ酢たれ」は、煮物や炒めもの、めんつゆなど用途が広く、蔵に併設された売り場にはレシピカードも置いています。

 ほかにも、トマト酢や柿酢を原料にしたサイダーなど、ラインアップは豊富です。

 庄分酢は、2017年にオープンした東京・銀座の複合商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」に初めての県外店を出しました。通信販売では、地元・福岡に次いで東京や神奈川といった関東圏からの注文が多いそうです。 社長の高橋一精さんは 「酢の素晴らしさを伝えていく店にしたい」と話しています。

フルーツのやさしい香り

 夫婦が営む「酢造発酵場スー」(うきは市吉井町桜井)では、心地よい香りに迎えられました。流通ルートに乗せにくい完熟果物を原料に、じっくりと時間をかけて手作業で仕込むのが店のこだわりです。

 造っているのは大山英章さんと妻の紀子さん。「自分たちの目が届く範囲で果物を仕入れ、仕込むのが理想です」と2人は口をそろえます。

 愛情を込めた商品だけに、「贈り物ならどういう方に贈るのか、料理が得意か、健康に気を遣っているかなどを尋ねながらお勧めしています」と紀子さん。地元で採れた桃や巨峰、イチゴ「あまおう」などを使った果実酢のほか、スパイスを漬け込んだ酢なども取り扱っています。生のハーブを漬けた季節限定の品もあります。

 いずれの店も通信販売を行っています。酢は食欲を高め、料理を日持ちさせる効果もあるそうです。食生活に取り入れて、暑い夏を乗り切りたいですね。

庄分酢

所在地
福岡県大川市榎津548
電話
0944-88-1535
営業時間
9:30~17:00
HP
https://shoubun.jp/

酢造発酵場スー

所在地
福岡県うきは市吉井町桜井59-1
電話
0943-75-5664
営業時間
12:00~17:00
定休日
水曜日
HP
vinegar-su.com

広告

コメントをどうぞ