待ってました菊五郎劇団! 人間国宝の大立ち回りに興奮 六月博多座大歌舞伎

 博多座開場20周年記念『六月博多座大歌舞伎』(6月2~26日)に行ってきました。(N.S)

 観劇したのは6月4日の昼の部。前から6列目の花道近くに座りました。

 最初の演目は「祇園祭礼信仰記 金閣寺」でした。幕開けの舞台は、春の金閣寺。桜が咲き誇り、舞台装置の美しさに魅入ってしまいます。尾上松緑さん演じる松永大膳は大悪人。中村梅枝さんがつとめる雪舟の子孫・雪姫を監禁し、墨絵の龍を描くか自分の言うことを聞くか、迫ります。中村芝翫さんふんする此下東吉たちが雪姫たちを救おうとします。

写真提供:松竹株式会社
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 見所は、雪姫が、桜の木につないだ綱に縛られたまま演じるシーン。同じく捕らえられている夫を思うさまや、つま先を使い桜の花びらと涙でネズミを描く場面が続きます。もだえるような所作と表情。ため息が出るほどです。

写真提供:松竹株式会社

 休憩時間は30分間。お弁当に迷った末、今回はカツサンドと博多座あんパンにしました。

 次の演目は、「保名やすな」。中村扇雀さんの舞踊です。菜の花咲く幻想的な春の野原。恋人を失い、さまよいます。物憂げで、はかなげな目線。目線が合ったかと錯覚して、ドキッとしました。「二人椀久ににんわんきゅう」を思い出す、耽美的な舞台でした。

写真提供:松竹株式会社

 ラストは、「野晒悟助のざらしごすけ」。「待ってました! 菊五郎劇団っ」と喝采を送りたくなる舞台です(ネタバレになるので、ストーリーは省略します)。

 前半、いずれも伊達男である、尾上菊五郎さん演じる野晒悟助と、尾上菊之助さんふんする浮世戸平のセリフの掛け合いシーンがあります。菊之助さんの端正な顔立ち、キリッとした表情とセリフ。いい男とは、菊之助さんのことだ、と言いたくなるほど、れしてしまいました。後半の見どころは、悟助と、狼藉ろうぜきを働く一味との大立ち回り。人間国宝の菊五郎さんが、十数人を相手に、派手な立ち回りをするのですから、目が離せないシーンが続きます。菊五郎劇団のベテランと若手が一体になり、歌舞伎特有の美しい立ち回りを展開します。飛んだり、跳ねたり、とんぼを切ったり。その時々に、見得を切る瞬間もあり、とにかく観客を喜ばせようとサービス精神旺盛。客席からは、盛んな拍手の連続でした。幕が閉まっても、余韻に浸りました。

写真提供:松竹株式会社

 歌舞伎の面白さを再認識する、贅沢ぜいたくな時間でした。梅雨が来ても晴れ渡るような、スカッとした気分で、帰路につきました。

 観劇料(税込)はA席18,000円、特B席15,000円、B席12,000円、C席 5,000円。

 公演日程やチケット購入などの詳細は、博多座のホームページ(https://www.hakataza.co.jp/)をご覧ください。

 公演に関するお問い合わせは、博多座電話予約センター(092-263-5555、10時~18時)へ。

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