夜景ばっちこい! 報道カメラマンが教える構図のマジック【後編】

 前編では高塔山から若戸大橋のたもとまでやってきました。後編では北九州市の中心街へと移動しながら撮影していきます。街なかにも魅力的な夜景スポットがあるようです。(読売新聞西部社会部・山根秀太)

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高塔山の展望台からの夜景 = 2019年5月7日、大野博昭撮影

【前編の記事】若戸大橋から謎の光。それ、どうやって撮ったの?

ホームの人、50センチこっちに来てくれないかなぁ

 次に訪れたのは、JR九州工大前駅の歩道橋です。さっきまでいた若戸大橋が遠くに見えます。歩道橋の下は線路と都市高速道路が走り、在来線と車が行き交います。

 三脚を立てて撮影を始めた大野カメラマンでしたが、「うーん、ダメかぁ」と初めての弱気な言葉が出ました。歩道橋は通行人に加えて、下を通る電車や車の振動で小刻みに揺れていました。写真がブレて、どうしても思ったように撮れないようです。無念のギブアップか。「じゃあ、次に行きますか」と声をかけたのですが、大野カメラマンは何かを見つけ、急に撮影を再開しました。そこから15分くらい粘りました。「ホームの人、もう50センチこっちに来てくれないかなぁ」。独り言も出ます。撮影した写真がこれです。

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通過列車が走るホームに人がたたずむ = 2019年5月7日、大野博昭撮影

 大野カメラマンも納得の1枚でした。でも、50センチの真意とは。聞くと、ホームに立っている人の頭に柱の影がかぶっていると。「50センチ手前に来てくれれば、影から出たのに」と悔しそうに言います。あまりの細かさに、「すみません。その差、分かりません」と口にしそうになりましたが、思いとどまりました。歩道橋からはほかにもこんな写真が撮れました。

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撮れないと言いながらもちゃんと撮れてます = 2019年5月7日、大野博昭撮影

北九州市中心部の新名物「逆さ小倉城」を撮影

 そこから沿岸部で工場夜景を軽く撮り、小倉北区の中心街に戻ってきました。最後のモデルは、ライトアップされた小倉城です。

 ライトアップされた小倉城もスマホで簡単に撮れます。風がない日なら、小倉城がお堀に映る写真が撮れます。大野カメラマンにも「逆さ小倉城」を狙ってもらいました。

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水紋に揺れる小倉城 = 2019年5月7日、大野博昭撮影

 午後9時半。高塔山での撮影開始からわずか2時間ほど。最後にガラス張りの市役所に映る小倉城を撮影しようと移動したのですが、市役所にはまだ煌々と明かりがともっていました。市役所の人たちも頑張って働いているようなので、ここは仕方なしとあきらめました。とかなんとか言いながらも、やはり撮っていました。

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2019年5月7日、大野博昭撮影
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2019年5月7日、大野博昭撮影

カメラの性能の違いが、写真の決定的な差ではない

 撮影終了後、近くのラーメン屋で反省会です。大野カメラマンは「写真はやっぱり構図」と語ります。確かに、夜景は思っていたより手軽に撮ることが出来ました。スマホでも撮れます。ただ、魅力的な写真を撮ろうとすると、やはり試行錯誤も必要なようです。「いろいろ試して、遊び心があると上手になるんじゃないのかな」と大野カメラマン。実際に撮影現場の大野カメラマンはよく動いていました。カメラの性能の違いが、写真の決定的な差ではない、ということのようです。

 今回は移動も含めてわずか2時間の撮影でしたが、大野カメラマンが撮影した写真はなんと900枚。「たくさんシャッターを切ってごらん。奇跡の1枚に出会えるよ」だそう。みなさんもカメラを持って夜景撮影に出かけてみてはいかがですか。

北九州市は展望台、街なか、工場などの多様な夜景が魅力

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日本新三大夜景の仲間入りは北九州市の観光行政にとってもうれしい話題だ = 2019年5月7日、北九州市観光課、山根秀太撮影

 北九州市では夜景を観光資源にしようと、官民をあげた取り組みが進められています。今回、撮影に訪れた場所以外にも皿倉山や門司港レトロ、ミクニワールドスタジアム北九州など、夜景スポットが数多くあります。7月に開催される「戸畑祇園大山笠」や8月の「関門海峡花火大会」も夜景撮影にはもってこいです。海上からも工場夜景を楽しんでもらおうと、毎週土日には「北九州夜景観賞定期クルーズ」も運航しています。

 北九州市観光課は「北九州市は展望台からの夜景だけでなく、市街地や工場夜景といった多種多様な夜景を楽しめます。『インスタ映え』する夜景がそろっているので、自信を持っておすすめします」とPRしています。

【北九州市内の夜景スポットや観光情報】
一般社団法人「夜景観光コンベンション・ビューロー」
北九州市観光情報サイト「ぐるリッチ!北九州」夜景観賞定期クルーズ

【前編】若戸大橋から謎の光。それ、どうやって撮ったの?

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