夜景ばっちこい! 報道カメラマンが教える構図のマジック【前編】

夜景って奇麗に撮れますか。近年は軽くて持ち運びのしやすいミラーレス人気も相まって、街なかで一眼レフカメラを首から下げた「カメラ女子」も多く見かけます。ところが「夜の写真はちょっと苦手」という方も多いのではないでしょうか。いえいえ、コツさえつかめば意外と簡単。2018年に長崎市、札幌市とともに「日本新三大夜景都市」に選ばれた北九州市の夜景を撮影するというカメラマンに同行して、「差がつく」プロのテクニックを盗んできました。(読売新聞西部社会部・山根秀太)

【後編】苦戦する大野カメラマンが撮影した渾身の1枚

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北九州市の夜景の魅力の一つ、工場夜景 = 2019年5月7日、大野博昭撮影

今回、同行させてもらったのは、読売新聞西部写真部の大野博昭カメラマン。入社24年のベテランです。普段から夜景を撮る機会も多いそうで、「最近のカメラは性能がいいから大丈夫」と、なんとも頼もしい言葉に背中を押されていざ出発です。

最初に訪れた撮影エリアは、夜景スポットとしても有名な、若松区にある高塔山の展望台です。市内の夜景が見渡せるまさに夜景の聖地。「まずは夜景撮影のイロハを教えましょう」ということで、王道の撮影スポットで日没直後の通称「マジックアワー」の時間帯を狙います。

手すりにもたれて、じわーっとシャッターを切るべし

夜景の撮影というと、三脚を立てて「レリーズ」と呼ばれる外付けシャッターをカメラから垂らして撮影する玄人っぽい姿をイメージします。こういった撮影スタイルは、写真の手ブレをなくす定番のテクニックです。

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三脚、レリーズスタイルで撮影する大野カメラマン = 2019年5月7日、山根秀太撮影

ただ、近年の一眼レフは性能が日進月歩で進化しています。どのメーカーの一眼レフも、暗い場所での撮影に強くなっており、手ブレしにくくなっています。結局、今回の撮影でも三脚はあまり使いませんでした。その代わり、夜景スポットにある「手すり」が活躍しました。まず、手すりや壁にもたれて体を固定します。「息を止めて、じわーっとシャッターを押してみて」。そうすることでカメラがブレにくく、シャッタースピードを遅くしても意外に対応できました。さらにもう一つ。夕焼けの撮影は「曇りモード」にすべし、というアドバイス。実際に試すと、確かに鮮やかな夕焼けが撮れました。
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手すりを使って体を固定すれば、三脚がなくても大丈夫 = 2019年5月7日、山根秀太撮影

いよいよ、大野カメラマンが動き出す

海に広がるあかね色が、徐々に深いブルーに変化していきます。

夕焼け全景
夕暮れに染まる北九州市の市街地 = 2019年5月7日、大野博昭撮影

「ここからの10分間が勝負だね」。大野カメラマンはそう言うと、すごい勢いで写真を撮り始めました。端から見ていると、どこを撮っているのか、見当もつきません。用意した2台のカメラでひたすらシャッターを切り続けます。

そして、撮影していたのがこれらの写真です。その場にある構造物を生かしながら、幻想的な世界観を表現しています。

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展望台の構造物を額縁のように使うテクニック = 2019年5月7日、大野博昭撮影

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若戸大橋の橋脚と奥に広がる工場夜景 = 2019年5月7日、大野博昭撮影

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若戸大橋を行き交う車のライトが光の筋になる = 2019年5月7日、大野博昭撮影

若戸大橋に謎の光。これ、どうやって撮ったんですか?

次に若戸大橋の真下にやってきました。若戸大橋は、若松区と戸畑区にまたがって架かっています。今回の撮影場所は戸畑区側です。橋は2018年12月からライトアップされ、新たな夜景の撮影スポットとしても人気です。ライトアップされているので、スマートフォンでも簡単に撮影できるのも魅力の一つで、いわゆる「映え」スポットでもあるのです。

ここでも大野カメラマンはあちこち行ったり来たりしながらの撮影です。それにしてもよく動きます。夜景の撮影って、三脚を立ててどっしり構えて黙々と撮影するイメージだったのですが…… そして、その時に撮影した写真がこちらの写真です。

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若戸大橋から生まれる無数の光のラインが幻想的な1枚 = 2019年5月7日、大野博昭撮影

この写真はどうやって撮ったのでしょうか。大野カメラマンに聞きました。この写真は1秒間の露光で、シャッターがおりる直前に、わざとぐにゅっとカメラを動かしたそうです。明るい部分だけが光のラインとして浮かび上がる夜景ならではの撮影テクニックだそうです。徐々にプロのテクニックを見せ始めましたよ。

ここではほかにもこんな写真が撮れました。

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上下、左右を対称にした構図 = 2019年5月7日、大野博昭撮影
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もう少し波が穏やかだったら海面が鏡のように映るかも = 2019年5月7日、大野博昭撮影

【後編】苦戦する大野カメラマンが撮影した渾身の1枚

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