不用のランドセルをフィリピン・ミンダナオ島の子どもたちへ 福岡の大学生が呼びかけ

 福岡市の九州大法学部2年廣瀬梨早りささん(20)と同経済学部2年中谷仁貴ひろきさん(20)が、使わなくなったランドセルをフィリピン・ミンダナオ島の子どもたちに贈るプロジェクトに取り組んでいます。同島ではフィリピン政府からの分離独立を求める武力紛争が1970年ごろから続き、戦闘により避難民となった子どもたちを支援するのが目的です。今春、卒業により不要になるランドセルや学用品の提供、輸送費のカンパを呼びかけています。(K.F)

 この取り組みは、福岡市東区の小森豊さん(55)が2017年に始めました。小中学校で26年間、英語教師を勤めた小森さんは早期退職後、世界の紛争地域を旅して難民救済のボランティアなどを続けてきました。特にミンダナオ島のNGOミンダナオ子ども図書館(MCL)の日本人館長で絵本作家の松居友さん(66)と知り合い、訪問を重ねるにつれて、日本のランドセルが軽くて丈夫であり、現地でも重宝されることを知って思い立ったそうです。

 2017年は小森さんが講師を勤めていた久留米市立荒木小学校を中心にランドセル111個が寄せられ、使わなくなった体操服や帽子、鉛筆や筆箱、ノートなどの学用品、上靴や靴、水筒、古着、絵本、ぬいぐるみなどを詰めて、MCLを通じて激戦地だった同島マラウィーの戦争孤児に贈りました。2018年は144個も集まり、同じように贈っています。

 マラウィーや避難民キャンプがあったイリガンには、大学生のボランティアもいることから、3年目の今年は、小森さんが福岡市立香椎第三中学校勤務時代の教え子でもある廣瀬さんと中谷さんに声をかけて、学生間での交流も兼ねて主体的に活動してもらうことにしました。

 現在、学生の協力メンバーを集めており、4月にワークショップを開催して活動を本格始動。6月に発送、8月に同島マラウィーの避難民キャンプで受け渡す計画です。10月以降、協力者への報告会などを予定しています。

 国際ビジネスの場での活躍を目指す廣瀬さんは昨年、小森さんが開いた報告会に出席し、父親が殺害された子どもの話などを、直接現地の学生から聞きました。

 「私自身が生きる力をもらいました。日本とフィリピンでは命の価値観が違うとも感じました。何か協力できたら」と取り組みの動機を話し、「日本の小学生が、ランドセルの寄付という手軽なステップを通して現地の子どもたちとの絆を感じ、ひいては社会貢献や国際協力への関心を持つきっかけになれば」と願っています。

 大学で経済工学を学び、コンピューターのプログラミングやシステム開発に興味を持っている中谷さんは、カンパをクラウドファンディングで募る手助けをします。「自分の知識で子どもたちの役に立ちたい」と話しています。

 ミンダナオ島では政府が進めたキリスト教徒の入植政策に、イスラム系住民の一部が抵抗。1970年ごろから、分離独立を求める武力闘争に発展。50年間で約15万人が犠牲となりました。また、2017年は異常気象も重なって避難民が100万人にも達したとされます。2012年にイスラム系住民の自治政府を設立する和平案が合意され、今年の住民投票により2022年に自治政府を樹立することが決まっていますが、今年に入っても爆弾テロが相次いで発生するなど治安の悪い状態が続いています。
 
 小森さんは「戦争や紛争が起きると弱い立場の子どもや女性、お年寄りに一番のしわ寄せが来ます。ランドセルを受け取った子どもたちはキラキラと輝いた笑顔を見せていました。教え子ら大学生主体の今年の活動に理解と協力をお願いします」と話しています。

 廣瀬さんらへの連絡はメール(randoseru2.bond.o.f@gmail.com)で。

 輸送費を含む諸費用70万円を目標に寄付を募っています。当面の寄付受け付けは「福岡銀行箱崎支店 普通預金2579290 ミンダナオランドセルプロジェクト 代表 小森 豊」へ。

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