爽快スペクタクル! 花形歌舞伎『鯉つかみ』 博多座で3/3(日)開幕 片岡愛之助さん、十役・早替りで魅了

 爽快なスペクタクル! 花形歌舞伎『湧昇水鯉滝わきのぼるみずにこいたき 通し狂言 こいつかみ』が3月3日(日)~24日(日)、福岡市・博多座で上演されます。一座を率いるのは片岡愛之助さん。十もの役柄を早替りで演じ、客席を魅了します。博多座登場は、2014年の『六月博多座大歌舞伎』で「鯉つかみ」の大詰部分を演じて以来、4年9か月ぶり。ファンの皆さんにとっては、待望の3月、ですね。

 『湧昇水鯉滝』は、1914年(大正3年)に東京・本郷座で初演以来、歌舞伎ファンに愛されている演目。博多座では2014年6月の愛之助さん以来となる今回は、通し狂言として上演され、『鯉つかみ』初出演となる尾上松也さん、愛之助さんと共演を重ねる中村壱太郎さんも登場。花形役者が顔をそろえる、躍動感あふれる舞台に期待が高まっています。通し狂言は15年6月の大阪松竹座公演以来。今回は新たに一場面が追加され、これまでだれも観たことがない筋が描かれます。

写真提供:松竹株式会社

 最大の魅力は何といっても、ダイナミックに客席前方まで水しぶきを飛ばす本水(本物の水)使用の激しい立ち廻りや、胸躍る宙乗り、驚きの早替りなど、「ケレン」と呼ばれる趣向をちりばめた演出。あくまで娯楽性を追求する“問答無用”の面白さに、高揚感は幾度も頂点に達し、歌舞伎の、ひいては舞台の醍醐味だいごみを存分に味わえます。

 ……あ、前方のお客さまには、防水用のビニールシートが配られますので、ご安心を(笑)。降りかかる水しぶきを避けたり、避けなかったり(!?)しながら観劇すれば、ワクワクもドキドキもワイワイも、きっと「増し増し」になることでしょうね。

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 さて、あらすじはというと――

 志賀の国(現在の滋賀県)。近江の国司・俵藤太秀郷たわらのとうたひでさとは、田畑を荒らす三上山の大百足おおむかで討伐の勅命を受け、琵琶湖の守り神から授かった宝剣・龍神丸りゅうじんまるをふるって見事に退治する。そのころ、琵琶湖中では鯉王りおうの皇子、金鯉きんりが念願かなって竜に変じることになり、祝宴が開かれていた。ところがそこに、退治された大百足の不浄の血が流れ込み、金鯉は身が汚れたため登竜の夢を絶たれる。恨みを募らせる鯉王親子。俵家を末代まで呪い、たたることを強く念じるのだった。それから四百数十年後。俵家の末裔、釣家はお家騒動の火種をかかえる中、息女・小桜姫が清水寺で出会った滝窓志賀之助に恋をする。しかし、志賀之助は釣家滅亡をもくろむ鯉の精の化身であることが、龍神丸の威徳によって明らかになる。そこに現れたのが、真の志賀之助。琵琶湖に逃げ込む鯉の精を追って行く――。

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 片岡愛之助さんは、歌舞伎界を代表する人気俳優のひとり。端正な容姿、よく響く声、絶妙なセリフ回し、骨太な演技に磨きをかけ、『義経千本桜』の狐忠信など大役を次々につとめています。『鯉つかみ』は、ライフワークである兵庫県豊岡市・永楽館歌舞伎で初めて演じ、本水の中で鯉と格闘する立ち廻りの迫力をはじめ、活力と清涼感に満ちた舞台が評判を呼びました。以来、常にバージョンアップしながら、東京・明治座や大阪松竹座、福岡・博多座などで公演を重ねてきました。今公演の十役は、滝窓志賀之助、滝窓志賀之助実は鯉の精、鯉王皇子金鯉、奥方さざなみなど、男女さまざまな人物たち。どんな演じ分けを見せてくれるのか、楽しみですね。1月30日には博多座で記者取材会を開き、「盛りだくさんの内容を、お客さまに楽しんでいただければうれしい」などと語りました。詳しい様子は近くご紹介します。

写真提供:松竹株式会社

 博多座三月花形歌舞伎『湧昇水鯉滝 通し狂言 鯉つかみ』の観劇料(税込)はA席14,500円、特B席11,000円、B席9,000円、C席 5,000円。公演日程やチケット購入などの詳細は、博多座のホームページ(https://www.hakataza.co.jp/)をご覧ください。

 公演に関するお問い合わせは、博多座電話予約センター(092-263-5555、10時~18時)へ。

片岡愛之助 写真提供:松竹株式会社

片岡愛之助(かたおか・あいのすけ)
 1981年、十三代目片岡仁左衛門の部屋子になり、片岡千代丸を名乗って初舞台。92年、片岡秀太郎の養子となり、六代目片岡愛之助を襲名。時代物から世話物まで幅広くこなし、上方歌舞伎の二枚目をつとめたかと思えば江戸歌舞伎のヒーローを演じたりと、歌舞伎界の期待の星だ。その名を一躍広めたのはテレビドラマ「半沢直樹」。おねえキャラ役が強烈なインパクトを残した。

尾上松也 写真提供:松竹株式会社

尾上松也(おのえ・まつや)
 六代目尾上松助の長男。1990年、歌舞伎座『伽羅先代萩』の鶴千代で初舞台。早くに父を亡くしたが、恵まれた容姿や豊かな表現力で道を切り開き、古典から新作まで次々と大役に挑んでいる。博多座では、2018年11月の新作歌舞伎『あらしのよるに』の山羊やぎ「めい」役で鮮烈な印象を残した。『エリザベート』のルキーニ役など、ミュージカル俳優としても十分な実績を誇る。

中村壱太郎 写真提供:松竹株式会社

中村壱太郎(なかむら・かずたろう)
 1991年、京都・南座で初お目見え。95年、大阪・中座で初代中村壱太郎を名乗って初舞台。『曽根崎心中』のお初など、上方歌舞伎の女方を中心に進境著しく、舞台に気品とかぐわしさを漂わせる。片岡愛之助の相手役としても、数々のヒロインを経験。一方、『桂川連理柵』では、お半と長吉という男女二役を見事に演じ分けた。成駒家の後継者としての資質を示し続けている。

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