[ぷちレビュー]映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』 1年後に届いた“愛のかたち”に涙する感動の実話 2月22日(金)全国ロードショー

 映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』が2月22日(金)、福岡市のユナイテッド・シネマ福岡ももちなどで全国ロードショーとなります。安田顕さんと倍賞美津子さんが親子を演じる愛に彩られた感動作で、原作は宮川サトシさんの同名の大人気エッセイ漫画。母と死別して1年後に届いた、想像を超える“驚くべき贈り物”とは――。

 心優しいがゆえに頼りないところがある息子・サトシと、明るくてパワフルな母・明子。平凡でユーモラスな宮川一家の日常は、母ががんを宣告されたことによって変化していく。サトシは恋人・真里に励まされながら母のために奔走し、家族は戸惑いながらも支えていく。そして……母が亡くなって1年後、家族それぞれがやっと新たな人生のスタートをきった頃、サトシの元に突然、母からプレゼントが届く。それは、想像をはるかに超えた特別な贈り物だった。母から息子へ、息子から母へ、すべての思い出がカタチとなり、愛に彩られる――。

 監督は、第56回ブルーリボン賞監督賞を受賞した『さよなら渓谷』(2013年)や、大ヒット中の『日日是好日』(2018年)などを手がけ、国内外で高い評価を得ている大森立嗣さん。人間の複雑な心情描写に定評のある俊才が、人を温かく包み込む慈愛に満ちた作品をつくり上げました。

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

 主人公のサトシを演じるのは安田顕さん。『愛しのアイリーン』「下町ロケット」などの話題作で演技派ぶりを発揮し、いま最も注目を集める俳優の一人です。明子役は、黒澤明さんや今村昌平さんら数々の巨匠とタッグを組んできたベテランの倍賞美津子さん。共演陣も、サトシの恋人・真里役にNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」「まんぷく」の松下奈緒さん、サトシの父役に石橋蓮司さん、兄役に村上淳さんと、日本映画界を代表する実力派俳優が集結しています。音楽は「あまちゃん」の大友良英さんが担当。主題歌「君の歌はワルツ」は、BEGINが本作のために書き下ろしました。

 作品の舞台は、原作者・宮川サトシさんの故郷、岐阜県大垣市。美しく広がる田園風景や山の連なりは、日本人が心に思い描く「ふるさと」を想起させ、懐かしくあたたかい気持ちにさせてくれます。

 物語は印象的なシーンで始まります。母の遺影を抱え、喪主として火葬場に向かうサトシ役の安田さん。軽妙でコミカルな音楽が流れる中、穏やかな口調で語るモノローグは、作品の世界観に観客を引き込みます。……がん宣告後は、明子をこの世につなぎとめるため、お百度参りをするほか、自転車のペダルをがずに坂を下って帰宅しようとしたりと、些細ささいなことにも願掛けをします。「これができたら、母のがんが小さくなる」と、一見滑稽にも思えるほど無我夢中で母の回復を祈る姿は、心に渦巻く葛藤ややりきれなさを解消しようともがいているようで、身につまされてなりません。大人になって直面する親の死。「この人だけは死なないと思っていた」という一言は、心の底から湧き上がる切実な願いのようで胸に響きました。

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

 気品とチャーミングさを兼ね備える倍賞さんは、愛情深い明子を見事に演じます。病床に伏しても愛する家族をいちばんに思い続ける、気迫のこもった姿には、何度も感情を揺さぶられました。原作には、サトシと兄が「母は倍賞美津子に似ている」と話すくだりがあります。自宅シーンの撮影現場を訪れ、倍賞さんと初対面した宮川真里さんご本人は、「お母さんがいる」と感極まって涙したそうです。

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

 台所に並ぶ保存容器、居間のテレビの音、畳んだ服のしわ……。劇中には、暮らしの“におい”を醸し出す描写が散りばめられています。人が亡くなっても、そこに変わらずあり続けるモノたちが故人の思い出を含み、ひときわ深い愛を放ちます。

 実家の両親に電話しようかな。

 作品を見終わると、そんな気持ちになりました。

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』

公開
2019年2月22日(金)
出演
安田顕、松下奈緒、村上淳、石橋蓮司、倍賞美津子
監督・脚本
大森立嗣
原作
宮川サトシ「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」(新潮社刊)
音楽
大友良英
主題歌
BEGIN「君の歌はワルツ」(テイチクエンタテインメント/インペリアルレコード)
配給
アスミック・エース
劇場

ユナイテッド・シネマ福岡ももち、TOHOシネマズ福津、ユナイテッド・シネマなかま16

 全国の上映館などの情報は、公式サイト(http://bokuiko-movie.asmik-ace.co.jp/)をご覧ください。

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