[ぷちレビュー]胸に響く歌声と芝居 熊本出身の歌姫・島津亜矢さん、博多座座長公演生き生きと 1月27日(日)まで

 熊本出身の演歌歌手・島津亜矢さんの特別公演が福岡市・博多座で好評上演中です。芝居『おりょう –龍馬の愛した女–』と、『島津亜矢コンサート 劇場版スペシャル』の2本立て。わたくしも開幕初日の1月15日に観劇してきました。

 芝居は、幕末のヒーロー・坂本龍馬を支えた妻おりょうの生き様を中心に、激動期を生きる人々の人間模様を描き出しました。ストーリー展開が小気味よく、笑いあり、涙あり、殺陣ありと演出も充実。観客を幕末、京の都にいざないました。

 おりょう役の島津さんは愛らしさ、一途さ、豪胆さをあわせ持つパーソナリティーを熱演。存在感を放った龍馬役の山口馬木也さんとの息もぴったりで、寺田屋事件などを通して夫婦愛の強さをビビッドに表現しました。脇を固めたのは前田耕陽さん、池上季実子さん、芦川よしみさん、田中健さん、目黒祐樹さんと演技派ぞろい。作品に味わい、安定感を与えました。

 コンサートは、かみしも姿の島津さんが口上を述べて開演しました。

島津亜矢特別公演 口上

 マイクを握った島津さんは持ち歌を中心に、歌謡曲、J-POP、洋楽とジャンルレスなステージを披露。昨年の紅白歌合戦で歌い話題になった中島みゆきさんの『時代』や、敬愛する北島三郎さんの代表曲『まつり』など名曲の数々を歌い上げました。

 厚みと深みのある低音から、どこまでも伸びる高音まで自在な声。演歌で見事なこぶしをまわしたかと思えば、歌唱法をがらりと変えて歌謡曲やJ-POPなどを完璧にこなすテクニック。歌詞の世界をたちあがらせる豊かな表現力――。すべてを兼ね備えた唯一無二のきらめきは、まさに歌姫の面目躍如でした。あまりのすばらしさに曲が終わると、大きな拍手とともに感嘆のどよめきが起こるほどでした。

 印象に残ったのは、持ち歌の「帰らんちゃよか」。都会に出た子供を思う親の心を熊本弁で切々とつづる歌詞を、一言ひとことかみしめるようにメロディーに乗せる歌唱は極めてエモーショナルであり、映画のワンシーンを観ているような感覚になりました。……忘れていたピュアな心を優しくなでられ、両親の顔を思いだし……ぶっちゃけ、落涙しました。隣席のステキな女性も涙袋にハンカチをあて、斜め前の上品なシニア女性は肩を震わせていました。

 終演後、感動の余韻が漂う劇場。わたくしも、しばらく席を立たずに、わきあがる多幸感をかみしめました。

 観劇料(税込)はA席13,000円、特B席10,000円、B席7,000円、C席4,000円。公演日程やチケット購入などの詳細は、博多座のホームページ(https://www.hakataza.co.jp/)をご覧ください。

 公演に関するお問い合わせは、博多座電話予約センター(092-263-5555、10時~18時)へ。

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 この日は開演に先立ち、博多座開場20周年を記念した式典が劇場エントランス特設ステージで開かれ、相良直文社長と島津亜矢さんが鏡開きを行いました。博多座さん、おめでとうございます。

島津亜矢特別公演 鏡開き

<舞台写真はいずれも博多座提供>

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