[ぷちレビュー]Don’t think. Feel! 劇団四季創立65周年記念『ソング&ダンス65』を観劇👀 ミュージカルの名曲・名場面次々 熱量マックス!! 胸震え💓力わきました🔥 召しませ極上のエンターテインメント🎶

 Don’t think. Feel!(ドント・シンク・フィール)

 キャナルシティ劇場からの帰り道。映画史に残る名ぜりふが頭に浮かんだ。いや、正確に言えば、幕が開いてすぐに、無意識に認識していた。だから、約2時間20分の舞台に五感を委ね続けた。カーテンコールの後、そのフィーリングを言葉に置き換えてみたら、そう、「考えるな。感じろ!」だった――。

 劇団四季創立65周年記念『ソング&ダンス65』が11月23日(金・祝)、福岡市博多区のキャナルシティ劇場(キャナルシティ博多内)で開幕しました。創立記念公演の一つとして1999年に誕生した『ソング&ダンス』シリーズの最新作。今年4月の首都圏公演を皮切りに全国を巡演しており、福岡でも多くのファンが待ちこがれていました。で、わたくしも観てきました(イェイ)、初日に。熱量マックスのダンスや歌に圧倒され、心が揺さぶられ、そして力がわいてきました(この感覚、共有したいー)。上演は12月9日(日)まで。慌ただしい師走の時期だからこそ、めくるめく「非日常」の世界に浸って、リフレッシュする。そんな贅沢ぜいたくなひとときをどうぞ。

 まずはおさらいを。

 『ソング&ダンス』シリーズは、劇団四季の数あるレパートリーの中でも、とりわけ人気の高いショウ形式のステージです。ミュージカルの名曲や名場面の数々を四季独自のアレンジで再構築しており、「ミュージカルでもない。ドラマでもない。まったく新しいエンターテインメント」と高く評価されています。最新作となる『ソング&ダンス65』のコンセプトは、「劇団四季の誕生から未来」「祈り」「願い」。四季の65年の歩みと未来への道を、選び抜かれた珠玉のナンバーに乗せて描きます。俳優陣のキャラクター設定はなく、主役も脇役もいません。一人ひとりのパフォーマンスを結集し、一つひとつの物語やシーンを描いていきます。極めてまれなスタイルと言えます。

撮影:荒井健

 『ウェストサイド物語』の「サムホエア」。透明感と芯の強さをあわせ持つソプラノ独唱が響いて、『ソング&ダンス65』の幕が開きました。スクリーンに過去の公演ポスターが次々に映し出され、音楽と光(照明)が交錯すると、スイッチオン! 『ソング・アンド・ダンス』の「ヴァリエーション23」を手始めに、躍動感と疾走感あふれるダンスと歌が繰り広げられ始めました。

撮影:荒井健

 ナンバーは『コーラスライン』『ライオンキング』などの劇中歌が展開していきます。曲ごとにドラマがあり、感情移入できるキャラクターがいます。『ウェストサイド物語』と『パリのアメリカ人』は街なかの物語。一人ひとりが生き生きしていて、祝祭感に包まれているせいか、旅行者としてそこにまぎれ込んでいるような錯覚をおぼえました。

 名曲が続く中、異彩を放ったのはフラメンコでした。カスタネット、カホン(打楽器)、足踏みの音が重なる独特のリズムに乗り、華麗に舞う男女。鍛え上げた肉体からは情熱がほとばしり、色気が香り立ちます。んもう、観ているわたくしも、アドレナリン過多な状態になりました。

撮影:荒井健

 と、一転、ファンタジーの世界へ。『アンデルセン』童話を再現したステージは、まるで“立体絵本”のよう。続く『リトルマーメイド』も含め、夢や愛、くじけず歩むことの尊さをあらためて実感しました。アダルトの胸もキュンとさせてくれます。

 心弾むリズム&ダンス、タップ&クラップ。『クレイジー・フォー・ユー』で気分はアゲアゲに。いつの間にか全身で拍子を取っちゃってて、慌てて自重しました(タハ)。

 ディズニーワールド全開の第2幕は、ユーモアたっぷりの俳優にさらに乗せられ(笑)、「ビビディ・バビディ・ブー」の発声練習も体験しつつ(笑)、スタートしました。

 楽曲が『アラジン』の「理想の相棒―フレンド ライク ミー」に移ると、美声を響かせる俳優の合図で、観客も「ビビディ・バビディ・ブー!」と大合唱(快感っ)。その後も、大きな布地やネットなど小道具類をふんだんに使ったり、シュールで前衛的なダンスを盛り込んだりと、第1幕とは異なる演出が目を引きました。

撮影:下坂敦俊

 と思っていたら……ディズニーの後、アルゼンチンの情緒漂う楽曲が流れ……エッジの効いたクールなペアダンスが空気をガラリと変えました。第1幕のフラメンコと対をなすように。わたくし、裏をかかれ、うれしくてゾクゾクっとしました。

 その後も輝くナンバーが続いて迎えた終盤、『キャッツ』がきました(キター! 好きなのです、はい)。楽曲もダンスも、従来とは一線を画すアレンジ! 『ソング&ダンス』ならではの醍醐味を味わえました。

 『オペラ座の怪人』では、そのダイナミズムに胸が震えました(好きなのです、やはり)。特筆したいのは、再びソプラノ。どこまでも伸び、天にも届くようなクリスタルボイスに、客席から感嘆の吐息がもれました。

 そしてエンディング――。すばらしい余韻が残りました。

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 楽曲、ソロ歌唱、コーラス、ダンス、楽器演奏、衣裳、照明、映像――。すべてが上質であり、その総合力で確立された唯一無二の世界観を堪能しました。印象的だったのは、やはり俳優たち。特に、コンテンポラリー、ジャズ、バレエ、フラメンコ、前衛など多種多様なダンスには舌を巻くばかりであり、肉体的にも精神的にも鍛え抜いた者だけが放つことのできるエネルギーはまぶしいほどでした。その「生命力」は、観る者に心地よく、パワーが伝わってきました。

 客席は、スタンディングオベーションの嵐。カーテンコールでも華麗なダンスを披露した俳優たちは、割れんばかりの拍手の中、ステージを降りて客席通路を駆け、観客とハイタッチしながら去りました。一陣の風のように、爽やかに。

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 開演前のキャナルシティ劇場は、静かな熱気に包まれていました。

 ロビーでは、ファンが公演プログラムを手に見どころを語り合ったり、オリジナルグッズを買い求めたり、記念写真に納まったり。時間の過ごし方は人それぞれでしたが、どの顔にも観劇を前にした胸の高鳴りがにじんでいるようでした。あちらこちらで福岡県外の方言も耳にしました。

 老若男女を魅了する劇団四季。長期の劇場専用使用により、年間を通してその公演を楽しめることは、福岡の文化、ひいては九州・山口の文化にとって貴重なことだとあらためて感じました。

 終演後。出口に向かおうと、ロビーに飾られたクリスマスツリーの横を通り過ぎたとき、一足早いクリスマスプレゼントを手にしていることに気づきました。ベタかもしれませんが言わせてください。それは「感動」という名の心の“宝石”です。

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 『ソング&ダンス65』のチケット(税込)は、S席10,800円、A席8,640円、B席6,480円、C席3,240円。お求めは劇団四季予約センター(0120-489444)、SHIKI ON-LINE TICKET(https://www.shiki.jp/tickets/)、劇場窓口で。

 詳細や今後の公演などについては、劇団四季のホームページ(https://www.shiki.jp/)をご覧ください。

<舞台写真はいずれもこれまでの公演から>

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