新作歌舞伎『あらしのよるに』、博多座で11月3日~27日上演 中村獅童さん&尾上松也さん 狼と山羊の友情描いたファンタジー 京都・南座、東京・歌舞伎座公演を経て、いよいよ九州初上陸! 同名ベストセラー絵本を舞台化、4歳から入場可😊

 歌舞伎俳優の中村獅童さんと尾上松也さんが出演する、新作歌舞伎『あらしのよるに』が11月3日(土・祝)~27日(火)、福岡市博多区の博多座で上演されます。1994年の出版以来、日本中で愛読されている、きむらゆういちさんの同名ベストセラー絵本の舞台化。本来は敵同士で捕食関係にあるおおかみ山羊やぎの禁じられた友情を描き、初演の京都・南座、続く東京・歌舞伎座公演と、世代を超えた感動を呼びました。さぁ、いよいよ九州初上陸。歌舞伎ファンならずとも胸の高鳴りを感じる方もいらっしゃるのでは。原作が絵本ということで、特別に4歳から入場できます。家族連れにとっては、そろって歌舞伎を観劇できるまたとないチャンスですね。

写真提供:松竹

 まずは、あらすじを。

 嵐の夜、狼の「がぶ」(中村獅童)と、山羊の「めい」(尾上松也)はそれぞれ真っ暗闇の小屋で天候の回復を待っていました。狼は山羊が大好物で、「食う」「食われる」の関係ですが、相手の姿が見えないため、二匹は楽しくおしゃべりして仲良くなります。そして、「あらしのよるに」を合言葉に翌日、また会う約束をします。明るい場所で再会したがぶとめいは、互いの姿を知って驚きます。それでも、いじめられっ子だったがぶは、めいが初めて言ってくれた「友達」という言葉がうれしく、二匹は友情を育みます。一方、がぶの狼仲間の「ぎろ」は、かつて片耳を山羊に食いちぎられた恨みから、めいを襲います。かばったがぶはとらわれの身に。めいは救いだそうとしますが、ぎろに見つかります。そこに、山羊の仲間たちが助けに現れます。争いのさなか、山頂まで逃げるがぶとめい。しかし、ぎろたちに追い詰められて――。

 歌舞伎舞台化は、絵本にほれ込んだ獅童さんが熱望して実現しました。初演は2015年の京都・南座。翌16年には早くも東京・歌舞伎座で再演されました。いずれの公演も評判を呼び、今回、九州初上陸となる福岡・博多座公演が決まりました。現代の絵本が歌舞伎の演目になったのも、全編にわたって動物役だけが出演するのも、歌舞伎では初めて。そうした独特の世界を、見得みえやだんまり、義太夫など歌舞伎の古典的な手法を駆使してファンタジックに表現します。さりながら、あくまで正統な歌舞伎です。そのうえで、子供にも分かりやすいセリフを使ったり、現代的なセンスの笑いを盛り込んだりと、だれもが楽しめる工夫も凝らされています。脚本は今井豊茂さん、演出・振付は藤間勘十郎さん。主人公役の獅童さんはライフワークの演目に位置づけ、初演からコンビを組む松也さんも大切にしている作品だけに、ありったけのエネルギーが注がれる熱い舞台になること間違いなしです。先日はPRのためにそろって福岡市を訪問。「これまでで最高の舞台をお見せしたい」と語り、京都、東京公演を踏まえ、さらにブラッシュアップした舞台にすることを誓っていました。記者会見に臨んだり、新天町商店街を練り歩いたりした様子も近くご紹介します。

 『あらしのよるに』の主な配役は次の通り。

がぶ(中村獅童)、めい(尾上松也)、たぷ(中村萬太郎)、みい姫(中村米吉)、山羊のおじじ(市村橘太郎)、はく(市村竹松)、がい(河原崎権十郎)、狼のおばば(市村萬次郎)、ぎろ(中村錦之助)

中村 獅童(なかむら・しどう)
 1981年、二代目中村獅童を名乗り、歌舞伎座で初舞台。歌舞伎の古典では、立役として『義経千本桜 すし屋』のいがみの権太といった大役を務めている。その一方、様々なジャンルで活躍しており、最新のデジタル技術を駆使した「超歌舞伎」では映像の初音ミクと共演し、幅広い層に歌舞伎の魅力をアピールした。屋号は萬屋。
尾上 松也(おのえ・まつや)
 1990年、二代目尾上松也を名乗り、歌舞伎座で初舞台。名子役時代を経て、女方として数々の舞台を経験。最近は立役での活躍が目立ち、『義経千本桜 渡海屋・大物浦』の平知盛など古典の大役に挑んでいる。新作歌舞伎『マハーバーラタ戦記』では重要な役を演じた。舞台、映像とも様々なジャンルで活躍。屋号は音羽屋。

🐺🐐

きむら ゆういち
 多摩美術大学卒業後、造形教育の指導、テレビ幼児番組のアイデアブレーンなどを経て、絵本・童話作家に。代表作の『あらしのよるに』は幅広い層に愛され、数々の賞を受賞。小学校の国語教科書や高校の英語教科書にも採用され、その人気は海外にも及ぶ。2019年には作品誕生25周年を迎える。
「あらしのよるに」シリーズ(講談社刊)
原作はきむらゆういち氏、作画はあべ弘士氏。1994年出版。95年、講談社出版文化賞絵本賞などを受賞。当初は第1作だけの予定だったが、好評を受けてシリーズ化され、第6作『ふぶきのあした』でいったん完結した。しかし、人気はとどまることを知らないため、特別編『しろいやみのはてで』、さらには第6作の続編『まんげつのよるに』が出版され、ようやく完結をみた。映画化、アニメ化もなされ、東宝映画版はきむら氏自らが脚本を担当し、2007年の日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した。15年には京都・南座で歌舞伎舞台化され、翌16年には東京・歌舞伎座で再演。18年11月、福岡・博多座上演を迎える。

 観劇料(税込)は、A席15,000円、特B席12,000円、B席9,000円、C席 5,000円。
 ※9月8日(土)午前10時から電話予約・インターネット販売、9月9日(日)午前10時から博多座チケット売り場販売開始。博多座は通常、小学生未満の入場はお断りしていますが、『あらしのよるに』は絵本を原作にした演目であることから、特別に「4歳以上入場可」とします。ひざの上にお子様をのせて観劇するのはご遠慮ください。

 チケットのご購入・お問い合わせは、博多座電話予約センター(電話092-263-5555、10時~18時)へ。有名プレイガイドの取り扱いを含む詳細は、博多座ホームページ(https://www.hakataza.co.jp/ticket/)をご覧ください。

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