ディズニーミュージカル『ライオンキング』 全国で観客魅了し、前人未到のロングラン上演中 その秘密は―― 来年3月、福岡に3度目“上陸”

ライオンキング 劇団四季が2019年3月から、福岡市博多区のキャナルシティ劇場で上演する『ライオンキング』は、初演から20年を経た今も多くの人に愛され、前人未到のロングラン上演を続けています。何が観客を魅了するのか、なぜロングランを続けられるのか、その秘密に迫ってみたいと思います。

 『ライオンキング』は、ライオンの王ムファサの子、シンバの成長物語。アフリカのサバンナを舞台に、生命の営み、親子の絆、心の成長を壮大につづる一大叙事詩です。その底流には、「サークル・オブ・ライフ(生命の連環)」という深遠なテーマがあります。<魂は姿を変えても決して失われることなく受け継がれる>との考え方です。これは『ハムレット』や『連獅子』など多くの古典作品にも通じるものであり、あらゆる世代の方々がシンパシーを感じ、楽しめるバックボーンになっています。

 特長は、1997年の米・ブロードウェイ初演時点で、従来のミュージカル作品とは一線を画した創造的、芸術的な舞台展開です。これを創り上げたのが、天才舞台芸術家ジュリー・テイモア。人間が動物を演じるという難題に、東洋のパフォーミングアーツ(インドネシアの影絵、日本の文楽・歌舞伎など)から想を得た独自の表現方法でこたえ、大ヒットしたディズニーアニメーションとはまったく異なる壮観な世界を実現しました。ディズニーとテイモア。両者の出逢いによって、この歴史的作品は産まれたのです。

 アニメ映画版、舞台版とも、天才アーティストのエルトン・ジョンが作曲を手がけています。その旋律はいつも、あらゆる人々の心を揺り動かしてきました。舞台版では新たに8曲が書き下ろされ、うち3曲がエルトン・ジョン作曲、ティム・ライス作詞です。南アフリカ出身のレボ・Mらも新たに楽曲を提供。力強く響くズールー語の曲やコーラスが加わり、「サークル・オブ・ライフ」の意味をうたう冒頭のナンバーなどで効果的に使われています。

 また、上演都市の方言を話すキャラクター、ミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバァは、作品にユーモラスな味わいを与えています。二人は、王国を離れて放浪中のシンバと出会う設定のため、標準語以外のせりふ表現が求められました(ブロードウェイ版では「ブルックリンなまり」の英語を使用)。そこで、日本版をプロデュースした劇団四季の創設者、浅利慶太さん(2018年7月に85歳で死去)は上演地になじみ深い方言、またはその特徴をいかした言葉を使うことを考案。ご当地色のあるティモンとプンバァは、どの都市でも人気を博しています。

©Disney 撮影:阿部章仁

 一方、興行面に目を移すと、劇団四季の『ライオンキング』は日本演劇史上の最多記録を更新中です。東京では20年前の1998年の初演以来、無期限ロングランを続けています。全国5都市(東京、大阪、福岡、名古屋、札幌)で延べ9公演を行い、2018年7月末時点の国内通算総公演回数は11,500回を突破、観客動員数は1,180万人を超えます。

 『ライオンキング』上演以前の日本演劇界では、一つの作品が無期限ロングラン公演を続けるのは例のないことでした。そもそも日本では、ロングランが定着しにくい土壌があります。劇場を1か月程度ずつ交代で使用する日本型の貸館方式では、「同一劇場で、公演期間を区切らず、観客動員の限界まで継続させる」ロングランは困難なのです。当然、収支規模は小さくなり、多額の制作費を要するスケールの大きな作品は上演できなくなります。逆に、米・ブロードウェイや英・ウェストエンドでは、ロングランこそが興行の基本です。制作費をかけても、魅力ある良質な作品なら長期間にわたって上演し、興行を成立させることができます。

 劇団四季は、『ライオンキング』の東京初演でこの「欧米型」興行方式を採用し、四季劇場[春](浜松町)で約18年5か月にわたるロングランを達成しました。同劇場エリアの再開発に伴い、会場を四季劇場[夏](大井町)に移し、さらなる無期限ロングランを継続しています。また、東京公演と並行して、大阪、福岡、名古屋、札幌の4都市巡演ロングランを実施。いずれの都市でもその地域の最長公演記録を更新しています。

 日本は歌舞伎、能、狂言など多彩な演劇文化にあふれる国です。欧米に比べ、各都市の経済水準にもさほど差がありません。こうした文化的、経済的背景があるからこそ、首都・東京だけでなく、福岡など4都市でも数年単位のロングランが成立しています。また、劇団四季はこの「日本型」ロングランを、『ライオンキング』以前に『キャッツ』、『オペラ座の怪人』などで実現しており、これも背景の一つと言えるでしょう。言い換えれば、『ライオンキング』の前人未到のロングランは、日本の潜在的な観劇人口を掘り起こし、日本の特徴を生かしながら公演を重ね、成し遂げられたものなのです。

 福岡公演は2008年1月~09年8月の公演以来、約10年ぶり3度目。劇団四季は、主人公のシンバ、ガールフレンドのナラの子ども時代を演じる男女子役を募集中です。

ミュージカル『ライオンキング』福岡公演概要

開幕
2019年3月予定
会場
キャナルシティ劇場(福岡市博多区住吉1-2-1)
お問い合わせ
劇団四季福岡オフィス(092-292-1160)

※開幕日、チケット発売日などについては決まり次第、発表されます。

子役オーディション実施概要

本選
2018年9月13日(木)予定 <予選9月11日(火)、12日(水)>
※事前に書類審査があります
会場
キャナルシティ劇場(福岡市博多区住吉1-2-1)
募集
「ヤング シンバ」役(男子)、「ヤング ナラ」役(女子)
応募資格
  • 9~12歳(ただし小学4年生以上)
  • 身長「ヤング シンバ」130cm~140cm、「ヤング ナラ」130cm~135cm
  • 9月以降、福岡市内の稽古場に定期的に通うことが可能な方
資料請求
ネット
劇団四季公式WEBサイトから応募用紙をダウンロード
郵送
A4サイズ返信用封筒(住所、氏名を明記の上、140円切手貼付)を下記オーディション係まで郵送
直接配付
キャナルシティ劇場、四季芸術センター(横浜市青葉区あざみ野1-24-7)
応募締切
8月27日(月)15時必着
お問い合わせ
劇団四季『ライオンキング』福岡子役オーディション係
〒225-8585 横浜市青葉区あざみ野1-24-7、四季芸術センター
TEL 045-903-1416(10時~18時、日曜・祝日を除く)
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