[やってみた]おしゃれ、集える、ママにも優しい 三拍子そろったコンビニ!? 見ーっけ 場所は博多区美野島の――

 か、か、カッシーナ製!? イタリアの高級家具ブランドの?(ひょえー) あの革張りチェア8脚すべてですか? いやね、なんだか「いいもの」な感じはしてたんです。にしても、カッシーナときますか――。

ファミリーマート博多美野島一丁目店の2階

 ここは、コンビニエンスストア「ファミリーマート博多美野島一丁目店」の2階(!!)、20席(テーブル7つ、カウンター)のイートインスペース。この造り、規模だけでも驚きなのですが、ジャズ喫茶をイメージしたという店内(こう表現してもいいでしょう)がなんともおしゃれで、地域の人たちが集う“オアシス”にもなっているらしいのです。JR博多駅から南に歩いて15分ほど、こくてつ通りに面したお店を訪ねると、店長の馬場知博さん(48)が迎えてくれました。

 2階は三方がガラス張りで、開放的な雰囲気。足元は茶色の板張り。同系色のテーブルに、よもぎ色のチェアが配されています。木製板を装飾した天井には間接照明がオレンジ系の色を添え、3種類の照明が黄色い光を落としています。こくてつ通りを見下ろす窓側にカウンター席。ここにあるのがカッシーナ製の革張りチェアで、黒と赤茶色の2種類が交互に並んでいます。頭上では4枚羽根のファンがゆ~っくりと空気を対流させています。

 無料のWi-Fiサービスが提供されていることもあり、スマートフォンやパソコンを使っている利用者が目立ちます。もちろん、本や書類を開いたり、じっと目を閉じたりと過ごし方は様々。近くの専門学校生が数人で勉強する姿もよく見かけるといいます。あの隅の席で向かい合っているスーツ姿のダンディーさん二人は打ち合わせ中、といったところかな。パソコンで作業していたフリーデザイナーの男性は、近くの自宅マンションから「ほぼ毎日」通う常連さん。1階コンビニの複合機でプリントアウトやコピー、ファクスができるのが便利なんだとか。傍らには「めちゃおいしい」と絶賛するコンビニのフライドポテトとアイスコーヒー。「明日も来ます」と笑顔を向けてくれました。

 ふと、壁際にあるガラス張りの喫煙ルームに目がとまりました。商品ポスターにまじって、チラシ類がはってあったからです。イベントの告知、サッカーチームの部員募集、地場企業のPR……。掲示希望があれば基本的に受け入れているといい、いわば地域の「掲示板」の一つになっているようです。

ガラス張りの喫煙ルーム

机やいすを備えた多目的スペース 馬場店長に理由を尋ねると、「地元に密着し、貢献したいから」という答えが返ってきました。「その中心がこちら」と案内されたのは、少し奥まった場所。ドアを開くと、机やいす(こ、ここにもカッシーナ製チェアあり!)を備えた多目的スペース(約70平方㍍)が広がっていました。こちらも要望に応じて無料で貸し出しており、和装やヨガ、占いなどのグループのほか、自治会や地場企業が会合や会議で利用しています。これだけのスペースを無料で使えるのは珍しく、感謝の気持ちもあってか、利用者の多くがコンビニでお弁当や軽食、飲み物などを買うそうです。「ウインウイン」のいい関係ですね。

 ところで、実はこの2階建てコンビニ、九州電力グループのニシム電子工業の駐車場敷地にあり、同社が経営しています。構想段階では社員の福利厚生が主な目的だったそうですが、「せっかく出店するなら地域に貢献できる形に」と現行スタイルを考案し、2015年11月に開店しました。店長は、研修を受けた社員が務めており、馬場さんは3代目です。当然、社員もよく利用します。多目的スペースでは、女性社員の手芸グループが活動しています。

 では、2階から階段を下りましょう。両側に手すりが2本ずつ、高低差をつけて取り付けられています。お年寄りや子供も行き来しやすそうです。1階のコンビニ出入り口そばに立つと、上部が吹き抜けになっていて、ここでも開放感が演出されています。

 レジカウンターに入った馬場さんに品ぞろえ方針を尋ねたところ、「お客さまの声に耳を傾け、可能な限り反映している」という答えが返ってきました。例えば、レンジで温めて食べるうどんを要望された際は、検討のうえすみやかにラインアップ。「はやっているから飲んでみたい」と聞いた黒酢ジュースを置いたところ、“ヒット”商品になっています。こうした積み重ねにより、天神や博多駅地区を含む市中心部のファミマ約90店舗の中でも売り上げは上位を維持しています。

レジカウンター

トイレ 「お客さまファースト」の精神は、トイレでも感じました。引き戸で開け閉めする段差のないバリアフリー型。内部は車いすでも利用しやすいスペースが確保され、子育てママ向けにおむつ替え用ベッドや荷物かごも用意されています。

 コンビニは、サービスの種類も増え続け、多くの人にとって日常づかいの場所になっています。その形態や造りは立地条件などにより様々ですが、博多美野島一丁目店のあり方は一つの方向性を示しているような気がしました。皆さんの地域にもきっと、「いけてる」コンビニがあることでしょうね。

 んじゃ今日は、エスプレッソとピッツァ風パンをいただくとしますか。カッシーナチェアに座って、イタリア~ンな感じに(フッ)。

 ニシム電子工業のホームページはこちら(http://www.nishimu.co.jp/)。

 

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