[ぷちレビュー] 宝塚歌劇花組公演 まるで会席とフレンチのフルコース!

花組 グランドビジョン 福岡市博多区の博多座で「宝塚歌劇花組公演」(5月26日まで上演)を観劇しました。

 まずは万葉ロマンあふれるミュージカル「あかねさす紫の花」。律令国家の形成の立役者となった中大兄皇子、大海人皇子という才気あふれる兄弟2人が、女流歌人の額田女王をめぐって愛憎劇を繰り広げました。

あかねさす紫の花(博多座提供)

あかねさす紫の花(博多座提供) 大海人皇子役の花組トップスター・明日海りおさんは、さっそうとした立ち居振る舞いやセリフ回しに「華」があり、悲劇的な運命にほんろうされながらも気丈に生きる姿を端正に演じました。日本人好みの人物像とも相まって、観客を舞台の世界に引き込みました。額田女王を演じた花組トップ娘役・仙名彩世さんは、兄弟の間で揺れ動く女性をあでやかに表現しました。大きな力にあらがえない弱さ、それでも自分を見失わない強さ……。表情や声はもちろん、全身から漂う感情表現が胸に迫りました。要所では叙情的な万葉歌が歌われ、当時の息吹が伝わってくるようでした。

あかねさす紫の花(博多座提供)

 約1時間半。劇的な場面で幕が下りると、最後のシーンの激しさにもかかわらず、さわやかさに似たものが胸に残りました。権勢をふるう中大兄皇子を含め、主要人物それぞれが懸命に、まっすぐに生きていることが、その理由のような気がします。

あかねさす紫の花(博多座提供)

あかねさす紫の花(博多座提供) 休憩をはさんで幕が開くと、そこはフランスでした。ファンタスティックなショー「Santé!!」(サンテ。フランス語で「乾杯」の意味)の始まり。明日海さんと仙名さんを中心に、「これぞ宝塚」と言いたくなる、歌と踊りのきらびやかな世界が展開されました。

 ワインやフランス料理をイメージした空想の人物が登場したかと思えば、花の都・パリに生きるジゴロや女性たちが魅惑的な夜の世界を案内してくれました。こちらはストーリーというより、ファンタジーの世界に身をゆだねて楽しむ内容。いわば「非日常」を満喫できました。

 博多座らしい演出として、九州出身者だけのシーン(下の写真)があったのも貴重でした。

Santé!!(博多座提供)

 約1時間の間、女性が大半を占める観客席も華やいでいました。歌や踊りに合わせて手拍子が鳴り、決めのポーズには黄色い声も上がりました。笑い声が上がったのは、ステージ上で博多弁が飛び出したとき。誰がいつ? それは会場でのお楽しみに!?

 いわば会席料理とフランス料理のフルコース。大満足の舞台でした。

 公演についての詳細はこちらの記事(博多座「宝塚歌劇花組公演」を前に、トップコンビの明日海さんと仙名さんが記者会見 5月12、25日には映画館でライブ中継)をご覧ください。

(写真はいずれも博多座提供)

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